「いまーここ」に意識を向ける
 気づきの療法であり、
 実践的な心理療法です。

ゲシュタルト療法とは、ユダヤ人の精神分析医フレデリック・パールズ(Frederic s Perls)と、ゲシュタルト療法心理学者で妻のローラ・パールズ(Laura Parls)とポール・グッドマン(Paul Goodman)によって創られました。ゲシュタルトはドイツ語で「豊かな全体性(plump wholeness)」という意味です。ゲシュタルト療法が目指すところは、環境の中にいる生体機能としての気づきを高め、自己成長、成熟していくことです。

ゲシュタルト療法は心理学、哲学の思想を取り入れています。
ゲシュタルト療法は、私達にどう生きていくのか問いかけます。自己への「気づき」と「自己責任」から、自己創造の可能性が生まれる。私達それぞれが生きる、一瞬一瞬行う選択によって自分自身が創造されていく。その大切な「気づき」と出会う…。それには、自分に対して、場に対して正直であること…。それはとても勇気がいることでもある。



何を図に上らせるか
自分が選択している

ゲシュタルト心理学とは

ゲシュタルト心理学は、世界をどのように知覚するかを研究する心理学で、人間は世界を「ゲシュタルト(全体性、意味あるもの)」として知覚するという視点です。
ルビンの杯の白い部分に焦点を合わすと杯が認識(知覚)され、黒い部分に焦点を合わすと人の顔が認識(知覚)される。一方を知覚している時(図)、もう一方は背景(地)になる。
パールズは、気づきの原理をこのゲシュタルト心理学の基本概念から取り入れました。

あなたが捉えている感覚、意識、気持ち、見ているもの全ての中から何を<図>に上らせるかは、実は自分が選択をしています。自分が選択していることに気がつくことができたら、自分に責任が持てるようになります。


人生を主体的に
生きること

実存主義・現象学について

 ゲシュタルト療法はその哲学背景に現象学・実存主義の原理を取り入れています。パールズが「ゲシュタルトは実存主義セラピーである」とも述べているほどです。

実存主義とは、個人のユニークな存在は個人の独自な経験によって成り立っている、いまーここの存在そのものに注目し、自らの選択によって人生を主体的に生きることを主張する哲学です。 

この実存主義に影響を与えたのは、現象学という哲学です。現象学とは、本質を知る上で「いまーここ」に現象として表れていることを正確な記述を通して理解しようとする学問です。

ゲシュタルト療法も「いまーここ」の存在そのものに注目し、本質はみえないところや想像の世界にあるのではなく、いまーここに表れている。過去や未来に、その本質があるのではなく、今ここにあると捉えます。


実存は本質に先立つ

ワークについて

ワークの中では、今自分の<図>にあがっているのもの意味に気づくこと、選択していなかった<地>の部分があることに気づいていくこと、出来上がったパターンのみの世界から「複数の選択肢がある」、「選択できる自由」を持っている自分に気づいていくことを探求していきます。

「いまーここ」に存在し続けることで、本当の自分に触れること「気づき」を経験します。本当の自分に触れること、気づくことにより、自分を変えようとするのではなく、どう実存していくのか自分に問い、主体的な選択を手にいれます。

人は気づくことで自己成長、成熟していくのです。